会長あいさつ | 第42回日本ペインクリニック学会関西支部学術集会

● Japan Society of Pain Clinicians Kansai

 

会長あいさつ

第42回日本ペインクリニック学会関西支部学術集会を開催するにあたって

会長:小谷順一郎



第42回日本ペインクリニック学会関西支部学術集会
会長 小谷 順一郎(大阪歯科大学歯科麻酔学講座)


 日本ペインクリニック学会関西支部会員の皆様には、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。この度、第42回日本ペインクリニック学会関西支部学術集会の大会長を拝命し、 来る5月12日(土)に、大阪国際交流センターにおきまして学術集会の運営にあたらせて頂くこととなりました。
 昨年の大震災では、当地の教育機関や病院にも甚大な爪痕を残しましたが、多くの被災者にとっては、1年が経過するとはいえ未だ先が見えない部分も多く、まずは“生活再建”という状況が続いています。しかし、学術活動においては、東北ペインクリニック学会も元気に活動の継続性を維持しています。日本ペインクリニック学会の発展、ひいては国民への良質な医療の提供という点からも、17年前に同様の経験をした関西の地からも力強い発信をしなければならないと思います。
今回の関西支部学術集会ではあえて統一テーマは設定せず、広く領域を超えた医療全般にわたる議論が展開されることを目指しています。特別講演は、高知大学医学部麻酔科の横山正尚教授にご自身の研究テーマである局所麻酔と痛みに関するご講演を頂きます。教育講演は2題を予定し、お一人は脳脊髄液減少症の最近の考え方について名古屋市立大学医学部脳神経外科の西尾 実先生に、もうお一人は歯科領域で積極的に慢性疼痛患者の治療に携わっておられる慶応大学医学部歯科口腔外科の和島浩一先生に歯科からみた顔面痛について、それぞれお話を頂く予定です。また、ペインクリニックに関連する医療事故・医療訴訟についてのシンポジウムも計画しています。勿論、一般講演では各施設から数多くの演題をお出し頂き、会員の皆様と共に活発な議論が展開されることを希望しております。
 私は会員の先生方の日常臨床とは異なり、歯科という立場で、口腔・顎・顔面領域という限られた部位における痛みの治療にあたっていますが、歯原性疼痛とは考えらえない慢性疼痛疾患に悩まされる患者の多さや、逆に、これまで神経障害性疼痛や身体障害性表現性障害などの身体化症状と診断されていたものが、単純な歯科治療で長年の痛みから解放されるという事例を数多く経験します。最近では、認知行動療法など心理的介入の有用性も強く強調されていますが、各専門科との連携を基盤とした慢性疼痛患者への多面的なアプローチがより必要となることはいうまでもありません。本学術集会が意義ある意見交換の場となりますよう、皆様のご参加、ご協力のほど、お願いいたします。



  







 



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